文鳥と暮らすひと 第5回 MACAさん


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「文鳥と暮らすひと」第五回はMACAさんです。インタビューは半年前の2015年12月に行いました。

 

MACAさんプロフィール

子供服の服飾デザイナー。

文鳥を飼うのはムーやんが初めて。

 

−MACAさんの鳥歴を教えてください。

知り合いがインコを飼ってるとかはあったのでその人の家で可愛がったりしたことはあったんですけど、文鳥との出会いはまだ浅いです。三年くらい。

鳥歴は本当にムーやんが初めてで、むしろペットを飼うのが初めてだったんです。
小さい時に金魚とかは飼ったことがあったんですけど、飼いはじめたのも水槽を洗うのも親でほぼ観賞用でした。
ただ両親ともすごい動物好きで父親は小さい時からオウムとか九官鳥とか大きい鳥を飼ってたらしくてそれも最近聞いたんです。親戚もインコを飼ってる人が居てけっこう鳥を飼っている人が多いんですけど。

親が結婚して私が生まれてからペットを飼うことが全然なくなってそのまま私も大人になりました。
ふと友人のお姉ちゃんが本を読んでるところにシナモン文鳥がいる写真をアップしていたのをtwitterか何かで見てキューンとなって。わたしもこれやりたいって火が付いてしまい。
その友人が飼ってなかったら文鳥には出会えなかったんです。

そもそも文鳥にどんな種類がいるかもそこまで分かってない状態だったので、鳥の名前だけ調べて「私飼えるのかな」と思いつつ無性に飼いたくてしょうがなくなって。その衝動が初めてだったので。
当時狛江に住んでたんですけど調べたらピッコリ・アニマーリさんがあるって知って。
※ピッコリ・アニマーリは現在は国分寺へ移転

そのまま超早く仕事を切り上げてお店に行って。それが最初だったので本当に出会いは唐突だったというか。
もうそのまま育てるって決めて。

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私が初めてピッコリさんに行った日にシナモンがいなかったんですよ。
全然時期じゃなかったので白がほとんどと桜がちょっとしか居なくて。
最初目の高さの位置に白文鳥の四姉妹が居たんですよ。シナモンが居ないなら白もかわいいなと思って見てたんですけど、四姉妹って聞いて一羽だけそこから抜くのがあまりにも可哀想で、一羽抜いたことでバランスが崩れても嫌だしそもそも四羽が似過ぎてて選べなかったのもあったんですけど。特徴がもう似ちゃってて決定打がなくて。

ほとんど同じ顔で動きも一緒だし選ぶに選べずどうしよう、でもどうしても飼いたい気持ちはあるけどピンと来なくて選べなくて。ふと下の棚を見たら一羽だけずっとそっぽ向いてる子がいて。みんな基本中を向いているんですけど一羽だけずっと外を向いている子がいて、それがムーやんだったんです。すごく気になるなぁと思って。

私が来てもペットショップの店長さんが入ってきてもずっとそっぽ向いてて。
で、「この子どうですかね?」みたいな。「どうだろう、人に懐くかな?」みたいなことを最初言われたんですけど、一回出してみたら「もしかしたらいけるかも」みたいな感じになって。ちょうどもう一人餌になった直後くらいだったのでどうかなと言ってたんですけどもう気になりすぎて。

「クールな感じでこの子かわいいんでこの子にします」って言って。三連休前で台風が来てた時期だったんですけど、台風の間に引きこもって慣れようみたいな感じで、その日にカゴ一式買って家に帰って、箱から出すところが本当に初めて触るくらいで。そこから徐々に慣れていきました。

最初は……小さい時は暴れん坊でした。すぐ噛んですごい容赦ない噛み方しかしなかったんでしばらくあれでしたけど残業もせず毎日走って帰ってました。

最初名前がムーやんじゃなかったんです。
女の子って聞いて「静御前」って名付けて「しーちゃんしーちゃん」言ってたんですけど、後日餌かおもちゃをピッコリさんに買い足しに言った時に写真を見せたら「男の子かもね」って言われて「男の子なのに静御前かわいそう」と思って、名前を「武蔵」に切り替えて、またしばらくしてどうもぐぜらないしクチバシもそんな大きくないしやっぱり女の子だよねっていう感じになったんですけど、もう名前を覚えちゃったぽかったので武蔵はあれだから「ムーやん」って呼ぶようになりました。

●実家の文鳥のこと

−お母様も文鳥を飼っていますよね。

私が飼ったちょうど一年後くらいで、ムーやんの方が先なんですよ。生まれたのは実家の白文鳥の四姉妹が先だったんですけど。

両親も文鳥との出会いが私が文鳥を飼ってからだったので、時々私の家に遊びに来てからそれからですね、飼い始めたのは。
初代は四姉妹じゃなくてごま塩の子がいたんですけど、事故で亡くなっちゃって、でもやっぱり親も飼いたいからどうしようってずっと悩んでいてちょうどその一年後のゴールデンウィークに東京に来る時に、新しい子を迎えるなら私が買ったお店で親が買いたいって言って新幹線降りたすぐ足で狛江に行きました。

私その時もう引っ越してたんですけど狛江にまた戻って見に行ったらちょうどシルバーイノとシルバーが絶賛売り出し中だったんです。四姉妹は私が最初に行った時点でもうだいぶ大きかったので、その時もう二歳になるかそれくらいだったので、もうお店の重鎮的な感じで居たんですけど、最初その二羽にするわってずっと言ってて。

最終日にお迎えしに行ってそのまま一緒に新幹線に乗って帰る予定だったんですけど、その後家に帰ってから「白い四羽いたよね」って言い始めて。
自分が四姉妹か悩んでた話は一切してなかったんですけど「いたね、でもあの子達四姉妹だから引き離すのかわいそうだしけっこう大きいから手乗りにはならないんじゃない?」って言ったんですけどどうも気になるってずっと言ってて「お母さんあの四姉妹にするわ」って急に言い始めて「えっ」と思って何かの縁なのかなと思って。

そもそも一気に四羽買う勇気がすごいと思ったんですけど。しかも四羽が同じカゴに入ってて、すごく大きいカゴだったんですね。「家には一羽用のカゴしかないからカゴから買わなきゃいけないよ」って言ったら母がその場でカゴを買って神戸に送りつけて、でも組み立てる気が母はさらさらなくて父親に「先に組み立てておいて」ってお願いをしたんです。でも父親にさすがに四羽連れて帰るって言えず、「姉妹を連れて帰る」とだけ言ってたんです。
父は二羽のつもりでずっといてやたらでかい小屋だと思ってた組み立てたらしいけど、母はもうルンルンで白い箱に二羽ずつ入れてそのまま新幹線に乗って一人+四羽で帰ったんです。
その夜に父親から電話があって「言ってることが違う」って言われて。

その後一羽が病気になっちゃって。獣医さんが言うにはもともと持病だったっぽいんですが内臓が悪くなって亡くなったんです。残り三羽はめちゃめちゃ元気に過ごしてます。文鳥が来て張り合いができたみたいで、子どものように可愛がって楽しそうにしてます。

−一気に四羽はなかなか飼えないですよね。

相当愛が湧いたんでしょうね。
ケージの掃除もメンテナンスも四倍ですし、しかも手乗りじゃないので。今は二羽と一羽に分かれて飼ってるんですけど。
文鳥たちは私が実家に帰ると「お前誰だ?」みたいな感じで見てます。

母は餌も「この店の粟穂がカリカリっとして美味しいねん」って言うんだけど「お母さん食べたの?」と思って。お気に入りのホームセンターのここの粟穂じゃないと駄目っていうこだわりがあるらしいです。
実家の文鳥は早起きみたいで、母親が五時半とか六時に起きてももう起きてるらしいです。

 

●ムーやんとの暮らし

−ムーやんと生活をし始めてから変わったことは?

今まで仕事ばかりで家に居ることがなくて、家に安らぎがなかったんです。家だと目の前に仕事のものが溢れかえってるから安らぎたい時にはカフェに行ってたんです。
ムーやんが来てからは一日の過ごし方が変わりました。家に居るとちゃんと家事しなきゃとか綺麗にしなきゃとか思うし部屋の内装も変わりましたし無駄に外には出なくなりました。夕方まで寝るとかもなくなりましたし(笑)。

ムーやんは空気を察知するのか絶対鳴いて呼ばずに待ってるんです。無理やり「出せ」っていうのもなくて、私が起きて洗濯したりしてるのを見るともういいのかな?っていう感じで少しずつアピールを始めます。

たまたま引越しが重なって今の家で三軒目なんですけどすぐ環境にも慣れてくれて、私より早くその場に馴染める子だったのでそれはすごく助かりました。
環境が変わって弱ってしまう子もいると聞くので、それがなかった分良かったです。

ムーやんはもうすぐ誕生日なんですよ。12月末生まれの弥富で生まれた子なんですけどもうすぐ三年かーと思って噛み締めてます。気づいたら早かったです。
周りの文鳥を飼ってる方って子どもの頃から飼ってる方って多いですよね。そういうのを聞くと本当に子どもの頃に出会いたかったなと思います。

−会社では「文鳥の人」だそうですね

もうすっかり文鳥の人です。机の目の前に文鳥のポストカードを貼ってるんです。文鳥のカレンダーも持ち歩いていて。私の部署の方への置き手紙にはだいたい文鳥を描くんですけどなぜか皆さんそれを切り抜いて机とか電話とかに貼ってくれて、どんどんみんなのデスクに文鳥が増えていて侵食してるんです。

Facebookとかインスタで部署外の人も私が鳥を飼いはじめたことをしってて、文鳥の人と認識されているみたいです。
仕事で電話がかかってきても「鳥元気?」ってみんなに聞かれます。仕事の話をする前に鳥の安否を聞かれるっていう。

私が飼い始めてから文鳥の存在を知って文鳥を飼いはじめた人も三〜四人います。
母もその一人なんですけど、他にも専門学校時代の男友達も飼い始めて。
友達の友達が私のインスタを見てすぐに飼い始めたりとか、気づいたら周りにすごく増えましたね。みんなすごく文鳥を愛してくれてます。
そもそも文鳥の存在を知らなかった子が周りに多かったんだと思います。
でも生半可な気持ちでは育ててほしくないので「勢いだけで飼わない方がいいよ」って思うんですけど私も勢いで飼いはじめたのであまり言えなくて(笑)。

文鳥を飼いはじめた人はみんなすごく可愛がっていて例えば二羽分の鳥かごがちゃんと置けるように車を改造したりとか、文鳥にのめり込んでます。

−ムーやんは梨型の容器がお気に入りですね

たまたま梨シャーベットがたくさん置いてあるコンビニがあって買ったんですけど、容器が可愛くて捨てるのがもったいなくて、小物入れとして使おうと思って洗って置いてたら気づいたら中に入ってたんです。
何の躊躇もなく入って一緒に遊んでコロコロ落ちてを繰り返してるので楽しかったんでしょうね。

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袋にもよく入ってるけど元々袋に入れようと思って入れたわけでもなく、気づいたら個包装のお菓子が入った大入り袋に入って中でお菓子を攻撃してました。それからだんだん袋をみかけたらすぐ入るようになりました。
今は袋を開けたらすぐ入っちゃうんで、中が個包装のものじゃない時は入らないように気をつけてます。でも中身には興味が無いのでお菓子を食べることは無いんですけど。
中身が銀色の袋が本当に好きで、中にはいって暴れたり寝たり楽しそうにしてます。それで発情して卵ができることも無いのでそのままにしてますけど。
ムーやんは握れないので袋越しに握ってます。袋越しだと手が見えないから大丈夫みたいです。
もうちょっと歳を取ると落ち着いて手のひらでくつろいでくれるかなと思うんですけど。

−ムーやんの不思議なところ

私が気を許している人といない人で態度が本当に違うので、分かってるんだろうなぁと思います。合う波長とかあるんですかね。

−元気が有り余るムーやん

日中出してあげられなくて申し訳ないのと、土日は私が出勤することが多くて、平日も夜帰るのが遅くなったりしてちょっと遊んでおしまいみたいな感じで。本当に遊ぶ時間が足りなくて申し訳ないなぁと。
今はケージに入れるのが大変で、遊んでる途中でエサを食べに行くタイミングがあるのでそこでケージを閉めないと帰ってくれなくなります。
普段から出してあげられればいいんですけど、ケージに返されないために一生懸命になってます。
途中でエサを食べたいけどまだ遊びたい時はひたすら背後を気にして中々入らないで、私が見てないふりをしたら急いで一粒食べて出てくる。意地でも帰りたくないみたいな(笑)。

ムーやんは飛ぶのも歩くのも早くて、体が小さいのでつかもうとしてもスッと抜けちゃうんです。夜は電気を消して捕まえたりするんですが日中はもう駄目です。
もう少し落ち着いて遊べればいいなと思うんですけど。

一回卵づまりしたことがあって、今また発情期が始まっててそれだけが心配で。
籠もれる場所は全部撤廃して、鞄の中に入りそうになるので全部蓋を閉めてます。しっぽは振らないんですけど今まで気にならなかった隙間が気になり始めてどんどん隙間を探してるんですね。
ムーやんのおしりを見て卵無いよな?無いよな?と心配してるんですけど。
「最初の二年で産まなかったら産まない」という話を聞いたことがあって私も油断してたんですけど二歳半くらいで初めて卵ができました。
−ムーやんとの距離感

私とはちゃんと距離があるというか……ここから先は駄目っていう線引があって、私が近づきすぎても駄目って言われますし、でもそばにいないと怒りますし。彼女なりに色々あるんだと思います。
私が絵を描いていたら邪魔せず待っててくれますし、よく分かってくれてるのかなと思います。
仕事柄家にあまり居られないのが寂しいです。もうちょっと遊ぶ時間があればと思います。

(2015年12月19日にインタビュー)

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ムーやんは残念なことにこのインタビューの旅立ってしまいましたが、ムーやんのことを詳細に話した最初で最後の記録ということで掲載させていただきました。